チペワの手入れをしてみよう (オイルドレザー編)
2013/12/19
そうだ、チペワの手入れをしてみよう。その2
「ロガー好き」さんからリクエストいただきました。
いまいちブラックオデッサレザーのメンテナンス方法が分かりません。(今はマスタングペーストだけで仕上げています) 宜しければオデッサレザーだけに限らずチペワブーツのメンテナンス方法を特集して頂けませんか?
コメントとリクエストどうもありがとうございます。マスタングペーストで間違っていないです。しかもお高めなマスタングペースト、素敵です。
以前、ポリッシャブルレザーのメンテナンス記事(過去記事:チペワの手入れをしてみよう。(ポリッシャブルレザー編))を書きました。
基本的にチペワに限らずワークブーツで使われているのは、ポリッシャブルレザー、オイルドレザー、ラフアウトレザーの3種類の革に大別されるかと思います。
チペワのブラックオデッサはオイルドレザーに分類されます。今回はこのオイルドレザーのメンテナンスをしてみましょう。いつも通り、繊細な方法ではなく必要最低限の手法のご紹介です。
手順1: 毎度の雑巾クリーニング
シューレースをはずします。ブラシでホコリを落とす、レザークリーナーが必要ならば臨機応変に。私は雑巾クリーニングで十分なので飛ばします。だいたいがこの雑巾クリーニングで汚れは落ちます。
今回も玄関先で靴、ブラシ、布、カメラと手が足らんくてあたふたヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ
古いタオル、Tシャツなどを適当に切った雑巾を水で濡らして固く絞ります。写真は着古しのTシャツを切った雑巾です。
靴の中が意外と汚いので靴の中から、外側、ソールまでゴシゴシと念入りに拭き掃除。久々に見た、チペワ93007。今シーズン良く履いてます。
終わった雑巾は洗ったり絞ったりが面倒なのでそのままゴミ箱へ。そのまま日陰の風通しのいいところにて乾かします。半日くらい。余裕あれば1日。
手順2: オイル入れ
オイルドレザーの場合はミンクオイルがいいかと思います。成分がほぼ「油」のミンクオイルとオイルドレザーとの相性は抜群。チペワ純正もあります。靴屋さんの片隅で売っているもので十分で、メーカー別に差があるかというと誤差の範囲、好みで決めていい部分です。
別に決まりはありません。保革オイルであれば、ブーツクリームでもレザーコンディショナーでも何でもいいわけで、いろいろ試して自らの感覚にしっくりくるところで落ち着くかと。
私は特に感じたことありませんが、一般的にミンクオイルは革がやわらかくなると言われています。メーカーやそのブーツの革質にも依存するので、試して感触探るしか方法はありません。
また、オイルドレザーに乳化性クリームは相性が悪いという方もいます。ミンクオイルなどに比べて水分の多い乳化性クリームはオイルドレザーの過剰に乾いた状況などには有効だと思いますし、絶対にダメという話ではなく、そのあたりは臨機応変なチョイスで問題ないと考えます。
適当な布にオイルを取って塗り込みます。表面がしっとりするくらいで。
実はオイルドレザーって微妙にひっかかって布で塗り込みにくいので、ブラシにオイル少量取ってガシガシ塗る、という方法の方がはかどります。ガシガシやったところで傷がつくとかどうこうなるもんではありません。
そのまま馴染むまで放置します。数時間~半日、欲を言えば1日。しっかりオイルを染み込ませるためです。時間なければすぐ3の工程へワープ。
手で塗ることには意味はありそうだけど
「手で直接塗ると体温でオイルが溶けて馴染みがいい」という話も聞きますが、手がべたべたでミンクオイル臭くなりますし、オイルなので手を洗っても落ちたんだか落ちてないんだかよくわからん状態になるのであんまりオススメしません。特に冬は洗っても落ちにくいのでやめたほうが。
通のミンクオイルの塗り方を今回は伝授しよう!
まず、ピュアミンクオイルを自分の手に直接取り、手の体温で油を溶かす。(ミンクオイルは人肌が一番!)
次に手についたミンクオイルをそのまま製品にやさしく染み込ませてあげます。これでミンクオイルがまんべんなく薄く塗れ、同時に製品に愛情も伝わるという、なんとも心温まる塗り方である。
と妙なテンションで手塗りを推奨しています。ブーツへの愛情を優先するか、手を洗う手間を少なくする合理性を取るか、のご判断はお任せします。
【後日追記】
「カレガJB#3」さんからコメント欄より「100円ショップで売ってる体温通す程度の薄いビニール製手袋」をはめてからのミンクオイル手塗り、という方法を教えていただきました。確かにこれなら手が汚れず賢明です。
革の合わせにもオイル塗り込みの推奨
それから、靴メンテナンスグッズメーカー「ジュエル」のサイトのメンテナンスページいわく
レースホール周辺の革の合わせ目にオイルを塗り込みます。革の断面が引き締まり、ブーツの表面との一体感が演出できます。
とのことです。
素直にやってみても効果の実感あんまりないです。まあこんなこと言っている人もいますよ、ということで。
手順3: 磨き
オイルドレザーでもブラッシングかければそれなりに艶感は出ますが、基本的に気が向いたときしか私はやりません。そんなに輝き出ませんので磨いても楽しくない。
基本は乾いた布で余計なオイル拭き取りと若干の磨きをかけます。コバに挟まってしまったオイルなどは丹念に拭き取ってください。
適度なところでシューレースを通して終了です。
通常時は履いたらブラッシングのみ、この流れは頻度としては2ヶ月に1回くらい。月1回やったら過剰かな、という感覚です。
チペワ2011年カタログ掲載のメンテナンス方法
チペワの2011-12年のシーズンの店頭カタログに書いてあったメンテナンス方法を転載しておきます。スキャナー持ってないのでデジカメ接写で。
チペワ(正確には旧代理店のトップウィンですけど)が言ってるんだから間違いないでしょう。
えっ?おまえのうんちくの前にこっちを最初から教えろと?(゚△゚;)
・・・・・うーん、読みにくいので書いてあること打っておきます。
ミンクオイルのブーツメンテナンス
ミンクオイルは皮革に対して油分を補給するケアアイテムです。革の柔軟性・防水性を高めご愛用のブーツを長持ちさせます。
手順1
ブラシでブーツ全体の汚れやホコリを落とします。ブラッシングは縦方向にサッサッと素早く軽めの力で。
POINT
ブラシは今朝気が細く柔らかい馬毛ブラシがお勧めです。ステッチやウェルト部分、ベルト周りは汚れが溜まりやすいので特に丁寧に。
手順2
ミンクオイルを豚毛ブラシ、または柔らかい布につけて、革表面に塗りつけてください。(※オイルが染み込みますと、色が濃くなりますので、ご心配の場合は少量を目立たない部分で、テストしてみて下さい。)
POINT
豚毛ブラシは馬毛に比べ硬さがありますが、牛革のオイルドレザーなら問題ありません。ミンクオイルはオイルアップが目的なので薄めに塗りつけて下さい。
手順3
その後半日ほど放置して、布で乾拭きして余分なクリームを更に取り除きます。(※乾拭きの頃合いは表面のべとつきが気にならない程度になれば大丈夫です。)
そんな素直に従ってもねえ?いろいろな試行錯誤を楽しむのが靴メンテナンス道の奥深いところであります。
まとまるはずもないのになんとなくまとめ
私のやっているメンテナンス方法とチペワのカタログに掲載されていた方法ですでに違いますね。
メンテナンス方法は千差万別。メンテナンスに正解などないので、自分でかけられる手間とコストを考えて適度なところで落としどころ見つけるのが賢明です。
手間かけようと思ったらキリがありません。私もいろいろ試して、「このくらいでいいかな」というところで今はこの方法に落ち着いています。必要最低限、これが正しいとも言い切れませんが、はずれてはいないはずです。
これをお読みの方で、「これやったらはかどった!」などメンテナンスの極意お持ちでしたらぜひぜひお教えくださいませm(_ _)m
個人的にスエードが素材としてあんまり好きではないなので、「チペワを手入れしてみた(ラフアウトレザー編)」掲載はこの先なさそうです・・・
それでは皆さま、素敵なブーツのお手入れライフを!(´・ω・`)ノ
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Comment
メンテって大変ですよね….。
うちは日中玄関でやろうもんなら悪ガキ2人がスッ飛んできていたずらします。
なので夜にベランダで作業です。これが冬はかなりこたえます!!
ミンクオイルは靴屋でも手で暖めて塗ってと言われましたね。
なので100円ショップでビニールの薄い手袋(手術の時に使っているイメージの)を購入して使ってます。
手袋に通気性が無い為か汗かいてかなり暖かくなります。
手袋無しでやった日にゃ子供にオイル臭いと言われるので無理っす!
ブーツを所有するのも大変ですね?。
ではでは。
カレガJB#3さん
毎度コメントありがとうございます。
冬のベランダで靴メンテ!靴メンテ道も精神修行の域ですね(笑)
ミンクオイルの手塗りに薄いビニール手袋。そういう発想がありませんでした。
通気性の問題はあるにせよ、そのまま捨てられますし素晴らしいアイデアですね。
勉強になりましたm(__)m 手袋手法、本文に追記させていただきます。
とても勉強になる記事でした。ありがとうございます。
オイルドレザーは適度なブラッシングとオイルアップだけで良いんですね。あやうく乳化性のクリームで手入れしそうになりました。
ちなみに私は素手でがつがつオイルアップしています。
この時期はオイルが固まっているので体温で程よく溶けてブーツに浸透していきます。
今後も更新楽しみにしています!
では失礼します。
ロガー好きさん
リクエストからお時間かかってごめんなさい。
ロガー好きさんも手塗り派ですか。けっこう皆さん手塗りなんですね。
相当乾いているときなどは水分の多い乳化性クリームでも問題あるわけではない、別に決定的なダメージを与えるとかではないので絶対にだめという話ではないと思いますが、通常ではオイルドレザーはやはりほぼ油分のミンクオイルが相性がいいのかなと思います。
このへんまた記事に後日まとめてみます。ネタができました。ありがとうございます。
こちらもいろいろと勉強させていただいて感謝です。今後とも宜しくお願い致します。